AGAは遺伝で決まる?母方祖父説の真偽・遺伝率の読み方・今できる対策を解説
家族に薄毛の人がいる男性がAGAで受け継ぐのは薄くなりやすい体質であり、発症が決まるわけではありません。
母方の祖父だけでなく父方の家族も含めて髪の経過を確認したうえで、自分の変化を見て判断することが重要です。
生え際と頭頂部を月1回同じ条件で撮影すると、毛が細くなる変化を半年単位で比較できます。
髪の変化に気づいた男性は早めの相談が向いており、変化のない男性が遺伝の不安だけで薬を急ぐ必要はありません。
相談先に迷う方に向けて、NEVER GIVE UP はGoogleクチコミを参考にしたクリニック情報をエリア別に紹介しています。父親や祖父の頭を見て、自分もいずれ薄くなると諦めかけていませんか?AGA(男性型脱毛症)で親から受け継ぐのは薄くなりやすい体質であり、発症そのものが決まるわけではありません。
ハゲは母方の祖父から遺伝するという説も、正しいのは半分だけです。
この記事では、母方祖父説の真偽、父方からの影響、遺伝率の読み方、遺伝子検査で分かること、今日からできる対策まで分かりやすく解説します。
家族の遺伝で不安に思っている方は、判断材料としてお役立てください。
AGAは母方と父方のどちらから遺伝する?

AGAに関わる遺伝子は母方と父方の両方から受け継ぎます。母方の祖父から遺伝するという説は、半分だけ正しい説です。
AGAと遺伝に関する説を以下の5点から解説します。
- 双子研究で分かった遺伝率
- 遺伝率と発症確率の違い
- 母方の祖父から受け継ぐ遺伝子
- 父方から受け継ぐ遺伝子
- 母親や姉妹の薄毛との関係
薄毛の原因を全体から知りたい方は、AGAの原因を解説した記事もあわせてご覧ください。
双子研究が示すAGAの遺伝率
AGAのなりやすさの個人差は、約8割が遺伝で説明できると報告されています。根拠は、オーストラリアで行われた双子の研究です。
研究では、25〜36歳の一卵性の双子476組と二卵性の双子408組で薄毛の進み方を比べました。遺伝子がすべて同じ一卵性の双子と、半分ほどが同じ二卵性の双子の似かたの差から計算された遺伝率が81%です。
英国で約20万人の男性を調べた別の研究では、血縁者どうしの比較から62%という値が出ています。調べ方で数字に幅はあるものの、遺伝の影響が大きい点はどちらの研究でも共通です。
遺伝率と発症確率の違い
遺伝率81%は、父親が薄毛なら81%の確率で自分も薄くなるという意味ではありません。遺伝率は、集団の中で見られる個人差のうち、遺伝で説明できる割合を示す数字です。
クラス全員の身長のばらつきが、どれだけ親ゆずりで説明できるかを表す数字に近いものです。自分ひとりの将来を言い当てる確率ではありません。
家族に薄毛の人がいる男性が何%の確率で発症するかをはっきり示した研究は見当たりません。出どころの書かれていない確率の数字は、参考にしないでください。
目安として使えるのは実際の発症率です。日本皮膚科学会のガイドラインは、日本人男性の発症頻度を全年齢平均で約30%としています。年代別の数字は以下のとおりです。
| 年代 | 日本人男性の発症頻度 |
|---|---|
| 20代 | 約10% |
| 30代 | 20% |
| 40代 | 30% |
| 50代以降 | 40数% |
年代ごとの違いは、AGAを発症しやすい年齢の記事で詳しく説明しています。
母方の祖父から受け継ぐアンドロゲン受容体遺伝子
母方の祖父が注目されるのは、AGAに深く関わるアンドロゲン受容体遺伝子がX染色体にあるからです。
アンドロゲン受容体は男性ホルモンを受け取る部品で、遺伝子の型によって毛根の反応の強さが変わります。
男性の性染色体はXとYが1本ずつです。Yは父親から、Xは母親から受け継ぐので、アンドロゲン受容体遺伝子は母親経由でしか届きません。
母親は2本のXを持ち、1本は母方の祖父、もう1本は母方の祖母に由来します。息子に渡るのはどちらか片方なので、母方の祖父の遺伝子を受け継ぐ確率は2分の1です。祖父から母親を通って孫に届く流れが、隔世遺伝と呼ばれる理由です。
ドイツのボン大学の研究では、特定の型の遺伝子を持つ人が薄毛の男性で70〜80%いました。一方で、薄毛でない男性の40〜50%も同じ型を持っていました。
型を受け継いだだけで発症が決まるわけではなく、母方の祖父がふさふさでも安心はできません。
父方からも受け継ぐ常染色体の関連遺伝子
父親の薄毛も無関係ではありません。AGAに関わる遺伝子はX染色体以外にも見つかっているからです。
日本皮膚科学会のガイドラインは、常染色体の17q21と20p11という場所に関連遺伝子があるとしています。常染色体は性別に関係なく両親から1本ずつ受け継ぐ染色体で、父親の分も半分は息子に渡ります。
英国の約20万人の解析では、AGAに関わる遺伝子の場所が624か所見つかりました。X染色体上にあったのは26か所で、残りは両親から受け継ぐ常染色体にあります。
父親から息子へX染色体は渡りません。それでも父親と薄毛の進み方が似る人がいるのは、常染色体の遺伝子を共有しているためです。
家族の髪は母方と父方の両方を見て判断しましょう。
母親や姉妹の薄毛と遺伝の関係
母親や姉妹の髪が薄くても、男性のAGAと同じ仕組みとは限りません。女性の薄毛は頭頂部の広い範囲が全体に薄くなる形で現れ、更年期に増えます。
男性ホルモンだけでは説明できない例があるため、女性型脱毛症という別の病名が使われています。母親の薄毛を自分の将来の判断材料にそのまま使うのは避けましょう。
手がかりになるのは、母親本人より母方の祖父やおじの髪です。母親が祖父と同じ型の遺伝子を持っていても、女性の髪には男性と同じ形で表れにくいからです。
ご家族の女性の薄毛が気になる方は、女性の薄毛の原因をまとめた記事をご覧ください。
遺伝があってもAGAを発症しない人がいるのはなぜ?

薄毛の家系でも発症しない人がいるのは、AGAがひとつの遺伝子で決まる体質ではないからです。受け継ぐ遺伝子の組み合わせは兄弟でも違い、遺伝以外の要因も重なります。
ここでは、多因子遺伝という仕組みと、遺伝以外でAGAに関わる要因を説明します。
多くの遺伝子が少しずつ関わる多因子遺伝
AGAは、たくさんの遺伝子が少しずつ影響する多因子遺伝の体質です。血液型のように少数の遺伝子で決まる特徴とは仕組みが違います。
関わる場所は、英国の研究で624か所見つかりました。ひとつひとつの影響は小さく、薄くなりやすい型をいくつ持っているかの合計でなりやすさが変わります。
トランプの手札にたとえると分かりやすいでしょう。両親が同じでも、配られるカードの組み合わせは子どもごとに違います。
遺伝子検査でひとつの遺伝子を調べても将来を言い切れないのも、同じ理由です。
遺伝以外でAGAに関わる要因
AGAの発症には遺伝と男性ホルモンの両方が関わります。
遺伝子が左右するのは男性ホルモンへの反応のしやすさで、毛根に直接働きかけるのはDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンです。
年齢を重ねるほど発症する人が増える点も、遺伝だけでは説明できません。髪の状態に影響するものとして挙げられるのは、以下の要因です。
- 男性ホルモン
- 加齢
- 食事の偏り
- 睡眠不足
生活習慣を整えるだけで遺伝の影響を消せるわけではありません。髪が育つ土台を崩さないための備えとして捉えてください。
AGAの原因についての詳細はAGAの原因の記事、生活面は食事の記事と睡眠の記事で説明しています。
AGAの遺伝子検査で何が分かる?

AGAの遺伝子検査で分かるのは、アンドロゲン受容体遺伝子の型です。男性ホルモンに反応しやすい体質かどうかの目安にはなりますが、将来の発症や始まる時期までは分かりません。
ここでは、検査で調べる項目と、検査では分からないことを解説します。
AGA遺伝子検査で調べる項目
多くの検査が調べるのは、アンドロゲン受容体遺伝子の中にあるCAGリピートという繰り返し配列の回数です。検査によってはGGCリピートという別の繰り返しもあわせて数えます。
繰り返しが短い人ほど男性ホルモンへの反応が強く、AGAになりやすいとされています。日本人男性を対象に、CAGリピートが短い人ほどフィナステリドが効きやすかったという報告もあります。
検査を受けられる場所は、クリニックと市販の検査キットの2つです。
AGA遺伝子検査では分からないこと
遺伝子検査では、発症するかどうか、いつ始まるかは分かりません。調べているのはX染色体上の遺伝子ひとつで、常染色体にある多数の関連遺伝子は対象外だからです。
CAGリピートと薬の効きやすさの関係も、断定的な結論は出ていません。イランで行われた小規模な研究では、CAGリピートの回数とフィナステリドの効果に関連は見られませんでした。
今の髪がAGAかどうかを診断する検査でもありません。診断は、医師が問診で家族歴と経過を聞き、生え際と頭頂部の毛が細く短くなっているかを見て行います。
結果が低リスクでも安心材料にはならず、高リスクでも発症が決まったわけではありません。優先度は高くない検査です。
すでに髪の変化を感じる方は、検査より先に診察を受けましょう。
遺伝が原因のAGAは治療で変えられる?

遺伝そのものは変えられませんが、遺伝による薄毛の進み方には治療で働きかけられます。
治療薬の仕組みを確認したあと、今日からできる備えをステップ順に解説します。
- 家族が薄くなった時期と進み方の確認
- 生え際と頭頂部の定点写真
- AGAクリニックへの相談
遺伝で決まる体質に働きかけるAGA治療薬
AGAは、男性ホルモンのテストステロンが5α還元酵素の働きでDHTに変わり、毛根の受容体に結びつくことで進みます。内服薬は、DHTに変わる段階を抑える薬です。
治療薬と薬の働きを以下にまとめました。
| 治療薬 | 働き | ガイドラインの推奨度 |
|---|---|---|
| フィナステリド内服 | Ⅱ型の5α還元酵素を阻害する | A |
| デュタステリド内服 | Ⅰ型とⅡ型の5α還元酵素を阻害する | A |
| ミノキシジル外用 | 発毛を促す | A |
国内の臨床試験では、フィナステリド1mgを48週間続けた日本人男性の58%に軽度改善以上の変化が見られました。3年間続けた試験では78%です。
注意点もあります。内服をやめると効果は消え、国内では20歳未満への安全性が確立していません。性機能に関する副作用の報告もあり、服用は医師の診察を受けて決める必要があります。
まだ髪に変化のない方が、遺伝が不安だという理由だけで薬を急いで始める必要はありません。
家族の髪が薄くなった時期と進み方の確認
最初にやることは、家族の髪がいつ頃からどう変わったかを聞くことです。
家族歴は診察の問診でも聞かれる項目で、自分の変化に早く気づく手がかりになります。確認する相手は父親、母方の祖父、おじです。
以下の3点を聞いておきましょう。
- 薄くなり始めた年齢
- 生え際と頭頂部のどちらから進んだか
- 進む速さ
祖父が亡くなっている場合は、30代から40代の頃の写真が参考になります。家族が薄くなり始めた年齢は、自分の髪を注意して見る時期の目安のひとつです。
生え際と頭頂部の定点写真
月に1回、生え際と頭頂部を同じ条件で撮影しておきましょう。AGAはゆっくり進むので、毎日鏡を見ていても変化に気づけません。
そろえる条件は以下の3つです。
- 同じ場所と照明
- 髪を乾かした状態
- 正面、左右の生え際、頭頂部の4枚
見るポイントは本数より毛の太さです。AGAでは、前頭部と頭頂部の毛が細く短くなっていきます。
生え際の産毛が増えた、頭頂部の地肌が前より見えるといった変化が半年前の写真と比べて分かれば相談のタイミングです。撮影した写真は診察でそのまま見せられます。
AGAクリニックへ相談するタイミング
相談のタイミングは、髪の変化に気づいた時点です。日本人男性のAGAは20代後半から30代にかけて目立ち始め、40代以降まで徐々に進みます。
国内の観察研究では、40歳未満の人と進行の軽い人でフィナステリドの効果が高く出ています。迷って数年待つより、早めに診てもらうほうが選べる手段は多くなります。
変化がまだない方も、不安が強ければ無料カウンセリングを行うクリニックで頭皮の状態を見てもらえます。薬を始めるかどうかは、結果を聞いてから決めれば十分です。
クリニックを探すときは、治療法の種類、通いやすさ、通った人の評価を確認しましょう。NEVER GIVE UP は、Googleクチコミを判断材料のひとつとして、エリア別にクリニックを紹介しています。
クリニックを選ぶ基準は、AGAクリニックの選び方の記事にまとめています。
まとめ
家族に薄毛の人がいて不安な方は、父親と母方の祖父の髪がいつ頃から変わったかを家族へ聞いてみましょう。あわせて生え際と頭頂部を撮影し、月1回の記録を始めてください。
半年前の写真と比べて毛が細くなったと感じたら、早めにAGAクリニックへ相談しましょう。変化がなくても不安が続く方は、カウンセリングで頭皮を見てもらう方法があります。
NEVER GIVE UP は、Googleクチコミを参考にしたクリニック情報をエリア別に掲載しています。通える範囲の医院を探すところから始めてください。
AGAは母方と父方のどちらから遺伝しますか?
母方と父方の両方から遺伝します。母方の祖父だけが原因という説は、半分だけ正しいです。
- アンドロゲン受容体遺伝子はX染色体にあり、母親経由で受け継ぐ
- 母方の祖父の遺伝子を受け継ぐ確率は2分の1
- 常染色体にある関連遺伝子は、父親からも受け継ぐ
薄毛の家系でもAGAを発症しない人がいるのはなぜですか?
AGAは多くの遺伝子が少しずつ関わる多因子遺伝の体質です。受け継ぐ遺伝子の組み合わせは兄弟であっても異なり、男性ホルモンや加齢などの要素も複合的に関わってきます。なお、日本人男性の発症頻度は全年齢の平均で約30%とされています。
AGAの遺伝子検査では何が分かりますか?
アンドロゲン受容体遺伝子の型が分かり、男性ホルモンに反応しやすい体質かどうかの目安になります。ただし、将来発症するかどうかや始まる時期までは分かりません。
また、現在の髪がAGAかどうかを診断するものでもないため、すでに髪の変化を感じている方は、遺伝子検査よりも先に医師の診察を受けるのがおすすめです。
まだ薄くない人が遺伝の不安だけでAGAクリニックに相談してもいいですか?
相談しても問題ありません。無料カウンセリングを行うクリニックなら、頭皮と毛の状態を見てもらったうえで、治療が必要かどうかを聞けます。
変化のない段階で薬を急ぐ必要はなく、結果を聞いてから決めれば十分です。NEVER GIVE UP では、相談先をエリア別に探せます。
遺伝が不安な人はAGAクリニックをどう選べばいいですか?
遺伝によるAGAは長く付き合う体質なので、続けやすさと治療の幅で選びましょう。確認するのは、治療法の種類、通いやすさ、通った人の評価です。
NEVER GIVE UP は、Googleクチコミを判断材料のひとつとしてクリニックを紹介しています。薬以外の治療法も用意している医院なら、変化が出なかった場合に次の手を相談できます。

